<各国の平均気温と100万人当たり感染者数の関係について。気温が高いほど感染拡大は抑制されている>
- 日本では春を迎え、今後は「気温が上がると新型コロナは収束するのではないか」といった推測が各所でなされている
- そこで、4/9時点の各国の新型コロナ感染者数と3月の平均気温、降水量の関係性について独自に検証を行うこととした
- 結果、以下の2つの事実を示すことができた
①寒い国ほど新型コロナは感染拡大している
②降水量が多い国ほど新型コロナは感染拡大している - 4月以降、日本では気温は上がるが、梅雨を迎えると降水量は増える
- このため、むしろ降水量が増える6月には感染拡大が一気に進む可能性もあり、引き続き予断を許さない状況が続くとみられる
1. 気温と感染拡大の関係について
- 各国の3月の平均気温と新型コロナ感染者数(4/9時点、100万人当たり対数値)について以下にて散布図で比較する
※ 以下気象庁のHPにて取得した各国のすべての地域ごとの観測値を平均している
(世界各国の気候データ:気象庁HP)
気象庁|世界の天候データツール(ClimatView 日別値)
(新型コロナ感染者数:WHOの公式HP)
- 各国の気温と感染拡大との間には明確な負の相関関係が認められ、3月の平均気温が高い国ほど感染は拡大していないことがわかる
- 上記の傾向は、地理的に離れた地域でも同様の関係が見られることから。純粋に気温がウイルスの生態に対して影響を与えている可能性が示唆される
- 上記の関係の原因として以下が想定される
①新型コロナウイルスは高温に弱い
②寒冷国では屋内の密閉性が高い - 国別の3月平均気温が上がるほど、なだらかに感染拡大が抑制されている関係があるため、①の仮説がより説得力があると思われる
2. 降水量と感染拡大の関係について
- 次に各国の3月の降水量温と新型コロナ感染者数(4/9時点、100万人当たり対数値)について以下にて散布図で比較する
※ 降水量の単位は(mm)
- 3月の降水量(mm)が高い国ほど感染拡大が進んでいることがわかる
- 隣接する地域でも降水量により感染拡大レベルの差がはっきり出ており、新型コロナは高い湿度を好む可能性が高いことが示唆される
- 日本は降水量が多い割に感染は拡大していないほぼ唯一の例外
3. 結論
- 新型コロナウイルスは、気温が低いほど、また降水量が多いほど感染拡大しやすい傾向があることがわかった
- 気温が高い地域では感染拡大は限定的であり、高い気温がウイルスになんらかの悪影響を与える可能性があるものとみられる
- 今後、日本では気温は上がってくると思われるが、湿度が高まる梅雨に感染拡大する可能性があり注意が必要