八木電流のブログ

新型コロナに関する様々な情報、うわさを独自に検証します

喫煙と新型コロナ拡大の関係|喫煙所で感染拡大か

2020年喫煙率と新型コロナ感染者数

2020年喫煙率と新型コロナ感染者数



 

<欧米諸国の喫煙率と4/9時点の新型コロナ感染者数(対数値)との比較。喫煙率が高い国ほど感染拡大が進んでいる

 

  • 喫煙と新型コロナ感染の関係性については様々な報道がなされ、その関係性についてはさらなる調査が期待されるところ

  • そこで、本記事ではWHOのHPから入手可能な情報をもとに、独自にその関係性について検証することとした

  • 結果、以下3つの事実をを示唆することができた
    ①喫煙率が高い国ほど新型コロナは感染拡大している
    ②喫煙と肺がんの関係よりも、喫煙と新型コロナの関係の方がはるかに強い
    ③肺がんとは異なり、過去の喫煙歴よりも現在の喫煙習慣が感染拡大に影響

 

1. 喫煙率が高いほど新型コロナウイルスは感染拡大するか

 

喫煙率と感染拡大の関係

  • 新型コロナウイルス感染拡大には喫煙率のみならず、各国の経済水準や気候等の様々な要因が影響している可能性がある

  • そこで、以下の通り、比較的気候やGDP水準が近い欧米先進国を対象に検証を行うこととした

    f:id:ymg522:20200411231514p:plain

    (新型コロナ感染者数データは以下のWHOのHPより取得)
    Situation reports
    (喫煙率データは以下のWHOのHPより取得)

    WHO global report on trends in prevalence of tobacco use 2000-2025, third edition

 

  • 各国の2020年推定の喫煙率を用いて、4/9現在の人口100万人当たりの感染者との関係を示すべく、以下散布図を作成

    2020年喫煙率と新型コロナ感染者数

    2020年喫煙率と新型コロナ感染者数


    ※感染者数は対数値を用いているので、縦軸で2.0となる場合は100万人当たり100人の感染(0.01%)、3.0となる場合は100万人当たり1000人(0.1%)の感染を示す

  • 結果、喫煙率が高い国ほど新型コロナの感染拡大が進んでいる旨が観察された

  • 上記の原因として、以下2つが考えられる
    ①喫煙歴ある人は新型コロナに特に感染しやすい
    喫煙所で新型コロナウイルスが拡散している可能性(分煙は欧米先進国で進んでいるはず)

喫煙率と死亡者数の関係

  • 上記では感染者数と喫煙率の関係を示したが、以下では死者数との関係についても示す

    f:id:ymg522:20200420082638p:plain

  • 上記で示した感染者数と喫煙率の関係と同様、喫煙率が上がるほど死亡者数も多い傾向があることが示された
  • 死亡者数は各国の医療体制等も大きく影響しているせいか、感染者数との比較のほうがよりはっきりとした相関がみられた

 

2. 喫煙率と肺がん感染者数の関係との比較

 

  • 一般に言われている喫煙―肺がんの関係と、今回の喫煙―新型コロナの関係はどちらがより強いのか検証することとした
  • 以下にて2000年の推定平均喫煙率と100万人当たりの2018年の肺がん患者数の関係について散布図を示す

    f:id:ymg522:20200420092135p:plain

  • 2000年時点の喫煙率が高かった国ほど肺がん患者が多いことがわかる

  • しかし、1.と比較した喫煙率と新型コロナ感染者の関係よりは相関は弱いとみられる

  • つまり、喫煙率―新型コロナの関係の方が、喫煙―肺がんの関係よりも、はるかに強いことが示唆された

3. 過去の喫煙率と現在の喫煙率のどちらの影響が大きいか

  • 喫煙率が感染拡大に影響するのは以下の影響が考えられる
    ①喫煙歴がある人は新型コロナにかかりやすい
    ②喫煙所で感染拡大している

  • ②の影響が大きい場合は、過去よりも現在の喫煙率が感染拡大に影響を与えていると考えられる
  • そこで、上記①②のいずれの影響が大きいか比較検討すべく、A)2020年時点、B)2000年時点、C)過去20年間の喫煙率の平均の3つの数値と感染者数(対数値)の比較を行った

 

現在及び過去の喫煙率と新型コロナ感染拡大の関係

 

A)2020年の喫煙率と感染者数

 

2020年喫煙率と新型コロナ感染者数

2020年喫煙率と新型コロナ感染者数

 

B)2000年時点の喫煙率と感染者数

 

2000年喫煙率と新型コロナ感染者数

2000年喫煙率と新型コロナ感染者数

 

  • A)の2020年喫煙率は新型コロナ感染者数との相関をはっきり示しているが、B)の2000年喫煙率と新型コロナ感染者数の関係性はここからは読み取れない

  • よって、過去の喫煙歴よりも現在の喫煙習慣が感染拡大に影響するといえる

  • したがって、喫煙所で感染拡大してる可能性も高いことが示唆される


現在及び過去の喫煙率と肺がん患者数の関係

 

A)2020年の喫煙率と肺がん患者数

 

2020年喫煙率と肺がん患者数

2020年喫煙率と肺がん患者数

 

B)2000年時点の喫煙率と肺がん患者数

 

2000年喫煙率と肺がん患者数

2000年喫煙率と肺がん患者数

 

  • 喫煙率と新型コロナ感染者の関係とは逆に、A)の2020年喫煙率と肺がん患者数の関係ははっきりしないが、B)の2000年喫煙率と肺がん患者数の相関ははっきりと見られる

  • よって、肺がんの場合は、過去の長期にわたる喫煙歴が、現在の喫煙習慣よりも影響していると考えられる

 

4. 結論

  • 以上みたように、喫煙率が高い国ほど新型コロナは感染拡大が進んでいる関係があると考えられる

  • また、喫煙と肺がんの関係よりも、喫煙と新型コロナの関係は強いことが示唆された

  • さらに、過去の喫煙率よりも現在の喫煙率が感染拡大に大きく影響しており、喫煙所で感染拡大している可能性が示唆される
  • これを機に愛煙家の皆様は禁煙を検討してはいかがだろうか